ドロップスピンドルを使って毛糸を紡ぐ

2013年6月24日

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なるべくお安く、なるべく手軽に、初めての手紡ぎに挑戦しようがコンセプト。1年前から手紡ぎをやりたいと思っていましたが、なかなか手が出ませんでした。だって難しそうなんですもの。糸車?わあ、本格的すぎて私には無理無理無理。だいたいやり方わからないし、教えてくれる人もいないし。毛糸は買えばいいじゃん。と思いづづけたら1年たっちゃいました。なんとか手軽に、あまりお金をかけず手紡ぎを試せないかと色々と探して、たどりついたのがスピンドルを使っての手紡ぎでした。調べてみると、スピンドルは手軽に自作できるみたい。これは面白そうだと思いさっそく試してみました♪

まずドロップスピンドルを用意します。作り方はこちら⇒ドロップスピンドルを作ろう① ドロップスピンドルを作ろう②

初めてならスピンドルの重さは30g~50gが使いやすいそうです。しかしそれは紡ぎたい糸の太さや、使う繊維によっても変わります。重いスピンドルでは細い糸は切れてしまって紡げません。軽いスピンドルで太い糸を紡ごうとすると、スピンドルが回らず、十分に撚る事ができません。スピンドルの材料を変えたり、大きさを変えたりすることで、違う重さのスピンドルを試してみてください。

繊維を用意します。今回はどこの手芸店でも見つけやすいフェルト制作用の羊毛を使います。

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こちらの商品は羊毛が帯状になっています。

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束から少し羊毛をちぎって両手で引き伸ばしてみます。この動作をハンドスピニング(hand spinning=手紡ぎ)ではドラフトする、とか、ドラフティング=draft, draftingと呼びます。

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そのまま引き伸ばし続けると繊維の束が薄くなり切れてしまいます。

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薄くてもろい繊維の束を指先でクルクルと捻ると「糸」になります。糸になった繊維は格段に強度が増します。糸を紡ぐとは繊維に撚りをかけることです。

紡ぐために毛の束を整えます。

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まずはプレドラフティング。プレドラフティング=pre drafting, pre draft とは羊毛の束を均一の太さに紡ぎやすいように、紡いだ糸に毛の塊ができにくいように、繊維をあらかじめ整えておくことです。方法は様々あり、使う繊維によっても違ってくるでしょう。プレドラフトしない人もいます。まず毛の束をいくつかに分けます。そしてその分けた束を30センチ間隔のところで両手に持ち、ゆっくりと左右にひっぱります。毛糸の束が徐々に細くなります。お好みの細さまで引き伸ばします。英語版ですが幾つかプレドラフティングの動画をあげておきます。

プレドラフティング

途中で毛糸の束が切れても、上の動画のように簡単につなぐことができます。

プレドラフティング2

初めて紡ぎにトライするのなら、毛の束のほんの一部だけプレドラフティングし、実際にスピンドルで撚ってみてどのぐらいの太さの糸に仕上がるか試してみると良いと思います。

一握りのファイバーで紡ぐ

上の動画の作者=(Respect The Spindleの著者です)はプレドラフティングをしないで紡いでますね♪ このように、毛糸を手のひらに納まるぐらいの大きさにちぎって紡ぐ方もいます。プレドラフティングに正解は無さそうなので、色々と試して自分と繊維に合った方法を探すしかないようです。

プレドラフティングの次はスピンドルを使って紡いでいきます。

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スピンドル(写真は輪っかが上部についたハイワールスピンドル)と80センチほどの長さに切った毛糸を用意します。毛糸は両端を縛って輪の状態にします。この輪にした毛糸をリーダーヤーン=leader yarn 、または単にリーダーと呼びます。

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リーダーを写真のようにスピンドルのシャフトに付けます。

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リーダーをシャフト上部のフックに引掛けて(すぐにフックからリーダーがはずれるようでしたら、リーダーを2、3、回ほどフックに巻き付けて下さい)。

フックが無い場合は?フックがないスピンドル(とくにローワールやボトムワールスピンドルと呼ばれるもの)もあります。そんな場合はこちらを参考に♪

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スピンドルを回します。この時、左右どちらの手にリーダー(紡ぐ前の毛の束)を持つか、スピンドルを持つかは個人の好みです。スピンドルを回す方向も個人のお好みで。(私の場合、毛の束を持つのは左、スピンドルは右手で時計回りとは逆に回しています)。紡ぎ始めから最後までスピンドルの回転方向は必ず同じにします。(もし紡いだ糸を後で何本か撚りあわせるつもりでしたら、すべての糸は同じ方向にねじられていないといけません。これは数本の糸を撚りあわせる時に、個々の糸がねじれているのとは反対方向にねじって撚りあわせるからです。糸のねじれの方向によってS 撚り、またはZ 撚りと呼ばれます)

糸を紡ぐ~パーク・アンド・ドラフト=park and draft 技法

パーク・アンド・ドラフトは初心者にピッタリな紡ぎ方だそうです。もちろん初心者じゃなくてもこの技法を使います。

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スピンドルの回転がだんだんと緩やかになり、反対方向に回り出す前にスピンドルを足の間などに固定します。これがパーク・アンド・ドラフトの「パーク」の部分です。スピンドルが逆回転しないように、スピンドルを停止=パークしておくのです。椅子に座っているなら両太ももの間に挟んだり、立っているなら脇の下にはさんだりします。

リーダーをつまんでいる指は外さずに、リーダーがきつくツイストしているのを確認したら、フックからリーダーを外します。するとリーダー全体にツイストがかかります。もう一度リーダーをフックに掛けます。常にツイストが緩まないように、リーダーをつまむ指は離さないように気を付けます。この時にリーダーはきつめにツイストさせておきます。

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スピンドルに取り付けたリーダーの先の輪の部分に繊維の端を通します。スピンドルのフックから伸びるリーダーは緩まないように、糸が張った状態を保ちます。写真では見やすいように繊維の端をつまんでいます。赤い糸に掛けたツイストが白い繊維に移動しないように気を付けて。リーダーの端をしっかりとつまみ、リーダーに通した繊維を重ねあわせます。

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Bの部分をしっかりとつまみ、Aをつまんだ指を繊維から放すと、赤い糸に掛けたツイストが白い繊維にも移動します。Bよりツイストが進まないように、Bの部分はしっかりとつまみ続けます。次にツイストがそれ以上に移動しないように気を付けながら、さきほどAをつまんでいた指でBの部分をつまみ直します。

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スピンドルをパークの状態にしたまま、Cをつまんでいる指をゆっくりスライドさせて、繊維を(必要な厚さになるまで)ドラフトします。これがパーク・アンド・ドラフトのドラフト部分です。

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Bをつまんでいた指を放すとCの所までツイストします。糸が紡げました!パーク・アンド・ドラフトでは①スピンドルを回しリーダーにツイストためる、②リーダーが強くツイストした状態でスピンドルをパークする、③繊維をすこしづつドラフトしながら糸を紡ぐ、の繰り返しです。スピンドルのフックから伸びる糸(いま紡いだ糸も含めて)リーダーと呼びます。

パークの状態で糸を紡ぎ続けるとドンドンとリーダーのツイストが緩くなっていきます。ツイストがゆるすぎると紡いだ糸が切れてしまいます。頃合いを見て再びスピンドルを回します。

紡いだ糸(リーダー)が長くなってきて、スピンドルを回しづらくなりましたら、フックに掛けた糸を外してスピンドルのシャフトに糸を巻き付けます。

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紡いだ糸が緩むと糸がくるくると巻いてしまいますので↑、糸がピンと張った状態でシャフトにキッチリと巻き付けます。さらにツイストが緩まない(逃げてしまわない)ように、糸をつまんだ指を放さないように気を付けます。

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紡いだ糸をシャフトにピッチリと巻き付けたら、リーダーを再びフックにかけます。

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スピンドルを回してリーダーを十分にツイストさせます。

ドラフト中に繊維が切れたり、紡いだ糸が切れたり、紡ぐ糸が太くなったり細くなったりとしますが、気にしない気にしない。続けているうちにだんだんとコツがつかめてきます♪ それに太さがまばらな糸も自分で紡いだ糸ならば、なぜか可愛くみえるのです。

英語での動画ですが、どれもスピンドルを使い、リーダーにツイストをため、ドラフトした毛を紡いで糸にする作業の様子です。

毛糸を紡ぐ①
毛糸を紡ぐ②
毛糸を紡ぐ③

紡いだ糸の撚りが甘いと、糸が切れやすくなります。細い糸ほど多くの撚りが必要です。糸を紡ぎの作業が終わると、次はその糸を、「かせ」にまいたり、お湯に付けたり、蒸したり、玉にしたりする作業があります。その作業中に糸の撚りがどうしてもすこし緩んでしまうので、糸を紡ぐときに少し強めに撚りをかけておいた方が安全だと言えます。

この記事を含め、このブログの手紡ぎカテゴリ内の記事を私のもう1つのブログcoffeebeansの手紡ぎノートにまとめていますので、ぜひチェックしてみてね♪

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15 Responses to “ドロップスピンドルを使って毛糸を紡ぐ”

  1. slecfarm Says:

    すっごく詳細に紹介してくださって、でもそれで、やはり私にはムリ!って実感しました。細かい作業・・・同じような太さに作っていくのって、難しいんだろうなとか、捻る強さとか、力の加減とか・・・でも、ちょっと挑戦してみたい気が(^^)/

    • coffeebeans Says:

      slecfarmさん>
      頭の中で理屈は分っているんですが、いざ実行に移すとまあ上手くいかなくてイライラしちゃってます。実践あるのみ!なんだろうなと思いながらやってます。でも何かを作るのは楽しいですね。ぜひ気が向きましたら挑戦なさってみてください。意外にハマるかも!?!?

  2. *yasuko* Says:

    すごい~手紡ぎですか?!?
    coffeebeansさんのことだから、すごく勉強して準備万端なのでしょうね(*´ω`*)
    新しいことに挑戦するのは大変ですけれど、がんばってくださいね♪
    どんな作品が生まれるのか楽しみです♪♪

    • coffeebeans Says:

      *yasuko*さん>
      yasukoさんが革作品の制作を始められたのを見て、「私も手紡ぎやりたいって1年ぐらい前から思ってたな。そろそろ実行しよう!」と思ったんですよ♪
      綺麗に段染めされた羊毛の束を海外のショップで注文したのですが(そんなに高価なものではない)、いきなりソレを使うと失敗した時に「もったいない・・・」となりそうなので、すこしでもそのリスクを回避するべく情報収集頑張りました。あとはひたすら練習しようと思ってます。編み物に使える糸がショール1枚分紡げるようになるにはまだまだ時間がかかりそうです~!

  3. pikao Says:

    こんばんは^^
    詳しく説明してもらったのに・・・
    pikaoには難しすぎてさっぱりわかりませんネ ごめん

    • coffeebeans Says:

      pikaoさん>
      読んで下さってありがとうございます(^^) ウチの主人も理屈を説明しても「?」な反応です。pikaoさんはなにかDIY系の趣味をお持ちですか?でも今年はタイガースにとって大事な時ですから、趣味に時間かけている場合ではないですね♪

  4. makimaki Says:

    うわうわ!すごいです!
    コーヒービーンズさんの説明を読んだあとに動画拝見したら
    何と無くわかりましたー
    でもこれって糸の太さを均一にするのがものすごーく難しそうですね(^_^;)
    練習あるのみって感じでしょうか

    どんな糸が出来上がるか楽しみだわ
    双糸にするところもみたいです。

    • coffeebeans Says:

      makimakiさん>
      動画ではさも簡単そうに見えるのに、実際やってみると難しくて四苦八苦しています。今、羊毛を40gほど紡いだのですが、糸っぽくはなっているけれど、使えなさそう。まだまだ工夫と練習が必要なようです。100g紡げはもう少しましになってくるかなあと思いつつやってます。自分で紡いだ糸でショールを編めるようなるまで頑張りたいと思います。

  5. tiara Says:

    紡ぎ方、いろんなやり方があるんですねぇ。
    やり始めるまで、時間がかかった訳がわかります。
    均等にならないといけませんもんねぇ。
    毛糸は、こんな風に出来るんだぁ~って感じです。
    母のベスト、出来上がったらお見せしますね♪
    今も一生懸命作っていますよ!

    • coffeebeans Says:

      tiaraさん>
      実際に毛糸を紡いでみて、毛糸に対する造詣が深まりました。毛糸がますます好きになりました♪
      上手に紡げるようになるにはまだまだ時間がかかりそうです。ボチボチと努力していこうと思っています(^^)
      お母さまの編んでいるベスト、楽しみにしていますね♪


  6. […] 今回は手紡ぎする前に、使う羊毛をすべてプレドラフティングして、1本の長くて細い羊毛の束にしたん。プレドラフティングは絶対必要なプロセスではないけれども、私のように超初心者はこのあたりの下準備をしっかりしておいた方が失敗が少なくなる・・・といいなあと思ってるん。手紡ぎは始めたばかりなので試行錯誤しなくてはならないから、なかなか進まないわあ。 […]


  7. […] この記事は私のもう一つのブログの記事を再編集したものです。 […]


  8. […] この記事は私のもう一つのブログの記事を再編集したものです。 […]


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